こんにちは、趣味フォトグラファー見習いの しゅーと です。
ゴールデンアワーとは、日の出直後と日の入り直前の短い時間帯を指します。
この時間帯は太陽の光が低角度から差し込むため、柔らかくて温かみのある色合いの光が得られ、被写体が美しく映えます。
今回は、日の出直後の時間帯をねらってみなとみらいに撮影に行ってきました。
この記事では、ゴールデンアワーに撮影したみなとみらいの写真とともに利用したカメラ、レンズ、撮影時の設定について詳細にお伝えします。
早起きするのがたいへんですが、天候などの条件が揃えば普段とは一味違う風景を撮影することができます。この記事を参考にぜひ試してみてください。
撮影装備
今回のみなとみらいの夜明け撮影(ゴールデンアワー撮影)に利用した撮影装備を紹介します。
カメラ | SONY α6400 |
レンズ(メイン) | SONY E 18-135mm F3.5-5.6 OSS 型名:SEL18135 (ズームレンズ、焦点距離:18〜135mm, 開放F値:F3.5〜5.6) |
NDフィルター | K&F Concept ND2~ND400可変式 バリアブルNDフィルター 型名:KF-CNDX55 |
レンズ(サブ) | SONY E16mm F2.8 型名:SEL16F28 (単焦点レンズ、焦点距離:16mm, 開放F値:F2.8) |
コンバーター | SONY フィッシュアイコンバーター 型名:VCL-ECF1 |
三脚 | KING Fotopro DIGI-3400 |
リモコン | iPad (Imaging Edge Mobile) |
レンズ(メイン)
メインレンズとして、焦点距離「18〜135mm」の万能な高倍率ズームレンズ「SEL18135」を利用しました。
35mm判換算(フルサイズ換算)で「27〜202.5mm」になります。
今回はどのくらいの焦点距離が必要なのかが分からなかったのと画角を変えて撮影する可能性も考慮してズームレンズを選択しました。
NDフィルター
NDフィルターはレンズに入る光を減少させるために使用するものです。
晴天の日中帯にシャッタースピードを遅くして撮影する場合などに利用します。
白トビを防ぐためのものですね。
今回は、朝日が被写体の一つとなるため必須です。
減光量を調整できる「ND2~ND400可変式 バリアブルNDフィルター」というフィルターを利用しました。
レンズ(サブ)+ フィッシュアイコンバーター
単焦点レンズ「SEL16F28」にフィッシュアイコンバーター「VCL-ECF1」を装着しました。
対角線画角180°、焦点距離10mm(35mm判換算:15mm)のフィッシュアイレンズ(魚眼レンズ)として利用しました。
三脚
海面を滑らかに撮るには長時間露光が必要です。
長時間露光で撮影するため三脚は必須となります。
今回は全高(全て伸ばした状態での地上からカメラ取り付け部までの長さ)が「1200mm」の三脚を利用しました。
「1200mm」の高さがあれば、大さん橋の手すりは超えられます。
リモコン
シャッターを押すときの手ブレを防ぐためリモート操作でシャッターが切れるようにしました。
今回は、iPadにインストールした「Imaging Edge Mobile」(SONY製) をリモコンとして利用しました。
本体に触れずにシャッタースピードや絞りを変更できるので、ベストな設定を試行錯誤する際には非常に便利です。
撮影スポット
今回の撮影場所は「横浜港 大さん橋 国際客船ターミナル」です。
大桟橋は、国内外の大型客船が寄港する客船ターミナルであり、その特徴的な建築デザインも魅力の一つです。
周辺には観光スポットやショッピング施設も多く、多くの観光客や旅行者が訪れます。
事前準備
撮影当日の天候の確認
撮影当日の天候を確認しておきましょう。
天気は快晴が望ましいですが、多少の雲があっても趣のある写真になるかと思います。
また、大さん橋は海上にあるため強風になることが多いです。
撮影当日の風速についても確認しておくのがよいでしょう。
長時間露光撮影では三脚を利用しますが、強風により三脚自体が大きく揺れてしまいます。
撮影当日に風が強い予報が出ているときは、大さん橋ではさらに強い風が吹くため撮影日程を変更したほうがよいかなと思います。
日の出時刻と方角の確認
撮影当日の日の出時刻、日の出の方角を事前に確認しておきましょう。
日の出時刻、日の出の方角の確認には「日の出、日の入り」というアプリを利用しました。
撮影日、撮影地点の条件において、どのあたりから太陽が登るのか事前に把握できるので便利です。
撮影地点の検討
大さん橋は、長さが480メートルあるため場所によって見える景色も変わってきます。
事前にストリートビューで撮影地点の目星をつけておくとと思います。
客船入出港予定の確認
大さん橋に大型客船が寄港していると全く景色が見えない可能性があります。
事前に横浜市港湾局のホームページから客船入出港予定を確認しておきましょう。
みなとみらいの夜明けの記録
夜明け前
撮影当日の日の出時刻は「AM 4:39」
日の出まで30分ほどあったので、ブルーアワーのベイブリッジを撮影しました。
1枚目の写真は手持ち撮影だったため「ISO感度」を「Auto」で撮影しました。
ISO感度が「12800」になってしまいノイズが目立つため、レタッチ時にノイズ軽減処理しました。
日の出前のベイブリッジと穏やかな海を撮影しました。
雲が赤く染まっているつばさ橋のあたりから太陽が昇りはじめる予定です。
以下の4枚の写真は、撮影モード「マニュアル露出 (M)」、シャッタースピードを「1秒」「4秒」「10秒」「20秒」で撮影したものです。
なお、「ISO感度」は「100(固定)」とし、「絞り(F値)」は、ディスプレイの明るさを見ながら調整しました。
シャッタースピードを遅く(長く)するほど、海面がよりなめらかになることがわかるかと思います。
日の出の瞬間
日の出の瞬間をとらえた写真をご覧ください。
朝日がちょうどつばさ橋と重なっています。
撮影時の設定は以下のとおりです。
撮影モード | マニュアル露出 (M) |
シャッタースピード | 2秒(固定) |
絞り | F8(固定) |
ISO感度 | 100(固定) |
ホワイトバランス | Auto |
焦点距離 | 35 mm (35mm判換算:52.5 mm) |
朝焼けとベイブリッジ
ベイブリッジと朝焼けが織り成す景色をご覧ください。
絞り(F値)を変えることによる太陽の光条の変化も合わせて確認していただければと思います。
撮影時の設定は以下のとおりです。NDフィルターを装着して撮影しました。(NDフィルターの設定は忘れました。。)
撮影モード | 絞り優先AE (A) |
シャッタースピード | Auto |
絞り | F8, 9, 10, 11, 13, 14, 16, 18, 20, 22, 25, 29 (12パターン) |
ISO感度 | 100(固定) |
ホワイトバランス | Auto |
焦点距離 | 35 mm (35mm判換算:52.5 mm) |
絞り「F13」以上で太陽の光条を確認できます。
「F29」ではかなり大きく鮮明な光条ですね。
絞り(F値)を大きくすることにより、光条のある印象的な写真が撮影できます。
ですが、絞り(F値)を大きくし過ぎると描写性能が落ちます(画質が悪くなります)ので程々にしておきましょう。
「F8」程度がレンズの描写性能を最も引き出せる(画質がよい)と言われています。
F8, F29の写真の一部を拡大した画像をご覧ください。
一目瞭然かと思います。
朝日に照らされたビル群
ベイブリッジの反対方向に目を移すと、朝日に照らされたみなとみらいの壮麗なビルディングが広がっています。
夜景の美しさもさることながら、朝日の柔らかい光に包まれたビル群もまた格別ですね。
撮影モード「シャッタースピード優先AE (S)」として、シャッタースピードを「2秒」「4秒」「10秒」「20秒」で撮影した4枚の写真を掲載します。
シャッタースピード「20秒」の海面の滑らかさが際立っていることがわかるかと思います。
魚眼レンズでとらえた大さん橋
ここからは魚眼レンズ(フィッシュアイレンズ)に交換して、大さん橋も被写体に加えて撮影しました。
魚眼レンズは、水中の魚が水面を見たときに水と空気の屈折率から水面より上のものを非常に広い範囲で見ることができるはずだということから名付けられました。
今回は、水平線を上下中央に配置するように意識しました。
こうすることにより水平線が歪まず安定感のある写真に仕上がります。
撮影時の設定は以下のとおりです。
撮影モード | 絞り優先AE (A) |
シャッタースピード | Auto |
絞り | F9 〜 14 |
ISO感度 | 100(固定) |
ホワイトバランス | Auto |
焦点距離 | 10 mm (35mm判換算:15 mm) * フィッシュアイコンバーター装着時 |
焦点距離「15mm」なのでかなり広い範囲を撮影できます。
ここからは大さん橋を被写体とした写真をご覧ください。
朝6:00前なのでほとんど人がいません。
ウォーキング、ジョギングをしている方がいましたが遭遇したのは数名程度です。
大さん橋を離れて、象の鼻防波堤を撮影した一枚です。
横浜港開港150周年にあたる2009年に明治期の防波堤が復元され、象の鼻パークとして開園しました。
象の鼻の先に見えるのは赤レンガ倉庫です。
ここから赤レンガ倉庫に行ければ便利なのですが、残念ながらつながっていません。
店舗がおしゃれな「BLUE BLUE YOKOHAMA」さんと朝日のコラボです。
写真の左上から中心に向かってのびているのは山下臨港線プロムナード(遊歩道)です。
曲線が美しいです。
山下臨港線プロムナードの下の広場を撮影しました。
正面にクイーンの塔、左方にキングの塔が望めます。
朝6:00過ぎのため誰もいません。
この大きな広場で誰もいない写真はこの時間帯でしか撮影できないと思います。
早起きした甲斐がありました。
まとめ
ゴールデンアワーに撮影したみなとみらいの写真とともに利用したカメラ、レンズ、設定を紹介しました。
これからゴールデンアワーの撮影に挑戦するみなさまの参考になれば嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。