こんにちは、趣味フォトグラファー見習いの しゅーと です。
肉眼では見ることのできない長時間露光の写真を撮影したい。
ということでよこはまコスモワールドのコスモクロックの夜景を撮影しに行ってきました。
この記事では、長時間露光で撮影した夜の観覧車の写真とともに利用したカメラ、レンズ、撮影時の設定について詳細にお伝えします。
長時間露光というと難しいイメージがあるかもしれませんが、意外と簡単に幻想的な夜景を撮影できると思います。
この記事を参考にぜひ試してみてください。
撮影装備
今回の長時間露光の撮影に利用した撮影装備を紹介します。
カメラ | SONY α6400 |
レンズ | SONY E 18-135mm F3.5-5.6 OSS 型名:SEL18135 (ズームレンズ、焦点距離:18〜135mm, 開放F値:F3.5〜5.6) |
三脚 | Fotopro DIGI-3400 |
リモコン | iPad (Imaging Edge Mobile) |
懐中電灯(ライト) | Apple Watch |
予備バッテリー | SONY アクセサリーキット ACCTRW |
NDフィルター | K&F Concept ND2~ND400可変式 バリアブルNDフィルター 型名:KF-CNDX55 |
カメラ
カメラは「SONY α6400」を利用しました。
α6400のようにAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載したカメラでは、「レンズ側の焦点距離 × 1.5」が35mm判換算(フルサイズ換算)の焦点距離になります。
レンズ
焦点距離「18〜135mm」の万能な高倍率ズームレンズ「SEL18135」を利用しました。
35mm判換算(フルサイズ換算)で「27〜202.5mm」になります。
今回はどのくらいの焦点距離が必要なのかが分からなかったのと画角を変えて撮影すること可能性も考えてズームレンズを選択しました。
事前に下見して、撮りたい画角(焦点距離)が定まっていれば単焦点レンズでもよいと思います。
三脚
長時間露光の撮影では三脚は必須です。
今回は全高(全て伸ばした状態での地上からカメラ取り付け部までの長さ)が「1200mm」の三脚を利用しました。
撮影場所の手すりの高さをギリギリ超えるくらいだったため、全高はもう少し余裕があったほうがよいかなと思いました。
リモコン
シャッターを押すときの手ブレを防ぐためリモート操作でシャッターが切れるようしましょう。
今回は、iPadにインストールした「Imaging Edge Mobile」(SONY製) をリモコンとして利用しました。
「Imaging Edge Mobile」はかなり評判(レビュー)が悪いようですが、個人的にはとても便利に活用させてもらっています。
撮影後の写真はiPadに転送されます。
カメラやスマートフォンの小さな画面ではなく、iPadの大きな画面で写真の出来栄えを確認できるのでとても快適です。
懐中電灯(ライト)
撮影モード(絞り優先AE、シャッタースピード優先AE、等)の変更はリモートではできないので、夜間撮影時のカメラ操作には懐中電灯(ライト)があったほうがよいです。
今回は Apple Watch 標準機能のフラッシュライトを利用しました。
iPhoneのライトでもよいのですが、Siri に「フラッシュライトつけて!」と頼めばハンズフリーで対応できるので非常に便利です。おすすめします。
予備バッテリー
「α6400」はバッテリーの持ちがあまりよくないです。
そのため、予備のバッテリーを持参しました。動画撮影もしていたことから、途中でバッテリーが切れたので交換しました。
給電しながら撮影を継続できるモバイルバッテリーで代替してもよいかもしれません。
NDフィルター
NDフィルターはレンズに入る光を減少させるために使用するものです。
晴天の日中帯にシャッタースピードを遅くして撮影する場合などに利用します。
白トビを防ぐためのものですね。
今回は、念のため持参しましたが使用しませんでした。
夜間の撮影でも光量によっては必要になるので、持っておくと安心かと思います。
長時間露光の撮影設定
今回の撮影装備(α6400 + SEL18135)で、長時間露光で夜の観覧車を撮影したときの設定は以下のとおりです。
撮影モード | マニュアル露出 (M) |
シャッタースピード | 5 〜 30 秒 |
絞り | F10 〜 25 |
ISO感度 | 100 〜 800 |
手ブレ補正 | OFF |
フォーカスモード | シングルAF |
フォーカスエリア | フレキシブルスポット (任意の位置でピントを合わせる) |
ホワイトバランス | Auto |
焦点距離 | 21 〜 23 mm (35mm判換算:31.5 〜 34.5 mm) |
撮影モード
「撮影モード」は、シャッタースピード、絞りの両方を手動で設定する「マニュアル露出 (M)」に設定しました。
シャッタースピードのみを設定する「シャッタースピード優先AE」でもよいと思います。
今回は、絞りも手動で制御したかったので「マニュアル露出 (M)」としました。
シャッタースピード
「シャッタースピード」は「5 〜 30 秒」で設定しました。
シャッタースピードの変化によりどのような写真が得られるのか想像できませんでした。
そのため、いろいろな設定で試行しました。
絞り
「絞り」はシャッタースピードに合わせて、白トビしないように暗くなりすぎないように調整しました。
また、光条(光源のまわりに放射状に伸びる光の筋)を撮りたかったので絞り値を大きめにしました。
結果的に「F10 〜 25」の設定となりました。
ISO感度
「ISO感度」は絞りとシャッタースピードを決めたあとに、モニターの明るさを確認しながら「100 〜 800」で設定しました。
ISO感度を上げるほどノイズが大きくなり画質が劣化します。
ISO感度100と800の写真を拡大して比較すると、画質の優劣が明らかです。
そのためできる限り低い数値で設定するように心がけました。
手ブレ補正
レンズの手ブレ補正はオフにしました。
三脚を利用した撮影の際は、手ブレ補正は不要です。
手ブレ補正機能が有効になっていることにより誤動作を起こす可能性もあるため、オフにするのが定石のようです。
カメラ本体にも手ブレ補正機能があればオフにしておきましょう。
フォーカス設定
観覧車は動いてますがカメラからの距離は変わらないので「フォーカスモード」を「シングルAF」に設定しました。
「フォーカスエリア」を「フレキシブルスポット」として観覧車の中心にピントが合うように測距枠を設定しました。
ホワイトバランス
「ホワイトバランス」は「Auto」としました。
色合いを変えたい場合は、現像時に色温度を調整すればよいと思います。
撮影スポット
今回の撮影場所は、クイーンズスクエア横浜 4Fのテラスです。
よこはまコスモワールドを見渡せる穴場的スポットであり、メインの被写体であるコスモクロックをほぼ真正面から撮影することができます。
クイーンズスクエア 1F のスターバックスコーヒーの横にある階段を上がっていくとたどり着けます。
クイーンズスクエアの店舗内からは行けないようです。
この場所は導線が限られているためか、いつも空いています。
今回の撮影中も遭遇したのは一人だけでした。撮影に限らずおすすめスポットです。
スターバックスコーヒー側とは逆側にも階段があります。
その階段の踊り場から広角で撮影した景色をご覧ください。
写真の左隅に見えるのが4Fのテラスです。
幻想的な観覧車の記録
レタッチ手法
今回の長時間露光の写真は、「ティール&オレンジ」でレタッチしてみました。
「ティール&オレンジ」は、映画や写真の色彩補正・レタッチのスタイルの一つで、特に近年の映画や写真編集において人気が高いとのことです。
「ティール&オレンジ」のレタッチ方法は「PUROART」さんの以下の記事を参考にさせていただきました。
コスモワールド
クイーンズスクエア横浜4Fのテラスから撮影した観覧車(コスモクロック)の写真を撮影設定とともに紹介します。
まずは、絞り値「F10」、シャッタースピード「10秒」で試し撮りです。
シャッタースピードを「15秒」に変更しました。
ちょうど手前の「スーパープラネット(左側)」「ギャラクシー(右側)」という回転系のアトラクションが回っているところを撮影できました。
が、観覧車(コスモクロック)が回っていません。。
ちょうど停止しているところを撮影したようです。
シャッタースピードを「25秒」に設定しました。
疾走感のある観覧車が撮れました。
さらに疾走感が増しました!
観覧車の疾走感に回転系アトラクションの光跡が加わり、よりファンタジックになりました。
コスモクロックは毎時0分、15分、30分、45分にイルミネーションショーが約6分間おこなわれます。
イルミネーションショーがおこなわれているときの写真をご覧ください。
イルミネーションショーをシャッタースピード「20秒」で撮影した写真です。
通常時よりも光量アップしますね。
この日はポケモンのスペシャルイルミネーションを実施していました。
ちょうどモンスターボールが点灯しているところを撮影できました。
「ティール&オレンジ」でレタッチしているのでモンスターボールと認識しづらいですね。
「ティール&オレンジ」レタッチ前のモンスターボールです。
モンスターボールとスーパーブラネットのコラボです。
3つのアトラクションが同時に回転しているシーンをやっと撮影できました!
今回は平日の夜の撮影ですが、手前のアトラクションはなかなかお客さんが入らなくて稼働してくれませんでした。
休日の夜のもう少し早い時間帯(20:00頃まで)であれば稼働率も上がって撮影チャンスもアップするかもしれません。
シャッタースピード「20秒」で撮影した写真ですが、みごとに3つのアトラクションすべてが停止しています。
観覧車が停止しているか否かは凝視しないとわからないので狙って撮るのは難しいです。
コスモクロックと高速回転アトラクション「スーパーブラネット」のコラボレーションです。
最後に回転系アトラクション「ギャラクシー」の神秘的な光跡アートをご覧ください。
大さん橋からの景色(おまけ)
コスモワールドを撮影した同日に、大さん橋から望む観覧車(コスモクロック)を撮影しました。
こちらも長時間露光で撮影しています。
シャッター速度は上から順番に、5秒、10秒、15秒、30秒です。
シャッタースピードを長くするほどコスモクロックの光跡の幅が広がるとともに、海面が滑らかになっているのがわかるかと思います。
続いてマリンルージュの出航の場面をとらえました。
この場面のみレンズを変えています。オリンパスの「G.ZUIKO AUTO-W 28mm F3.5」というオールドレンズで撮影しました。
マニュアルフォーカスでピピント合わせましたがあまりうまく合ってないです。。
でも、ぼやけて幻想的なのでOK!
最後に反対側の氷川丸とマリンタワーの景色です。
この日は風が強く、その影響で少しブレています。
まとめ
長時間露光で撮影した夜の観覧車とその撮影方法を紹介しました。
少しでもみなさまの参考になれば嬉しいです。
次は、長時間露光で車の光跡撮影にチャレンジしたいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。